はじめに
クラシックミニのSUキャブはホーリーやウェーバーとは全く異なる「定真空型」キャブレター。ジェットが固定されておらずニードルの上下でガスの量を調整するシステムで、一度理解すると非常に合理的な設計だとわかる。今回は長年ノーメンテだったHS2をバラして清掃した。
SUキャブの基本構造
- ダッシュポット:スロットルに連動してピストンが上下する筒
- ニードル:ピストンに固定された針、ジェット内の通路断面積を変える
- ジェット:燃料を吸い出すための細い穴
- ダッシュポットオイル:ピストンの動きをダンプ(緩衝)させるオイル
エアスクリューではなくジェット高さで混合気を調整するのが特徴。
症状
- 冷間始動後のハンチング
- アイドリングが高めで安定しない
- ダッシュポットオイルが乾いている(要補充)
清掃手順
ダッシュポット取り外し
上部のナット(2本)を緩めてダッシュポットを持ち上げる。ピストンを引き出すとニードルが見える。ピストンとダッシュポット内壁をパーツクリーナーで清掃。傷をつけないよう布よりもティッシュを使うのがベター。
ジェット清掃
ジェットの詰まりが疑われる場合はキャブクリーナーを流す。ジェットを外す場合はフロートボウルとの接続部分(エマルジョンチューブ)を傷めないよう注意。
ジェット高さ調整(混合気調整)
ジェット調整ナットを回してジェット高さを変える。下げると濃く、上げると薄くなる。チェック方法:アイドリング中にピストンを少し持ち上げて回転数が変化するか見る。上がれば薄い、下がれば濃い、わずかに上がってすぐ戻れば適正。
ダッシュポットオイル補充
ダッシュポット上部のキャップを外してエンジンオイル(10W-30)を少量補充。レベルはピストンロッドの上端から約12mm下が目安。
セッティング結果
ジェットを規定位置(フラットから2回転半下げ)から若干濃い方向に調整してハンチングが解消。アイドリングは900rpmで安定した。
まとめ
SUキャブは構造を理解すれば調整は難しくない。ダッシュポットオイルの補充だけでも症状が改善することが多いので、まずそこから試してみるのがおすすめ。ミニオーナーなら必ず覚えておきたい基本整備のひとつ。